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霧化だけでは判断できない!インジェクターの特性!
実際のインジェクターの動きは、ECUから信号が入りインジェクターのコイルに通電しコイルに磁気を帯び、スプリングや燃料の圧力に打ち勝ちソレノイドが開きます。開くまでにも時間が掛かります。 ECUからの信号が遮断されても、コイルに磁気が残っていますので、すぐには閉じず徐々に閉まっていきます。すぐ閉じる様にするにはスプリングの力しかありません。これが実際のインジェクターの動きです。
▼ バウンド
ソレノイドや作動パーツの質量が重かったりコイルスプリングが柔らかかったりする為にバウンドが起きます。バウンド部分は燃料が安定しないポイントです。EV1に多く見られます。
ECUから「1.7ms噴射しなさい」と信号を出しますが、実際のインジェクターの動きは赤線の様になります。インジェクターが信号を受けてから安定した噴射に至るまで0.8ms掛かり、それ以降の残りの時間0.9msが有効な安定した噴射になります。ですから、噴射時間の短い様なアイドリング時などは厳密に言えば不安定で各気筒アンバランスな状態なんですよね。
神様の作ったインジェクターであれば、ECU信号と同じようにソレノイドは動くでしょうね。
上記の図は、中・高回転時のECUからの信号とインジェクターの噴射状況で、インジェクターが 閉じないうちにECUから次のON信号が入ってしまいます。ですから、メーカーではインジェクター最大噴射量の80%で使用するのが良いとされています。
80%と言うと600ccのインジェクターであれば、480~500ccですがあくまでも机上ですので。インジェクターに対する燃圧を上げ、噴射時間を減らして使用するのも一つの方法です。
1ms=0.001秒
オフセットタイムが短くなればもっと緻密な制御が出来るでしょうね。
ECUから信号をもらってから、ソレノイドが完全にオープンになるまでの時間です。インジェクター内部のパーツの質量・バネの固さ・コイルの能力・燃料の圧力・電圧・インジェクターサイズにより、インジェクターメーカーがオフセットタイムを決めています。インジェクターが安定して使える様に。 この時間が、個々のインジェクターの特性であり、性格なんです。でも、この時間が長ければ、安定した噴射(ソレノイドがフルオープン)に至るまでの時間は燃料がダラダラと出ている状態なんですよね。インジェクターの開き始めと閉じ終わりを何とかしたいですね。
当社ではASNU GDIの計測機とPCソフトの組み合わせにより、各インジェクターのオフセットタイムだけを調べたり、最少噴射時の噴射パターンを見る事も出来ます。
インジェクターによっては、スプリングが弱い為に起こるバウンドやソレノイドのストロークが短く 流量の安定が悪かったり、霧化の問題や本体のレスポンスなどインジェクターにより色々な特徴があります。現在主流のEV14などは、EV1などの欠点を解消しつつ更に流量安定やレスポンス・霧化の改善などがされています。しかしEV14も近代のインジェクターである為にRB26や他の車種に対し簡単に取付出来る物がありませんでしたが、2013年2月以降には日本車用として使用できるEV14インジェクターが続々出てくるでしょう。更にオフセットタイム・本体のレスポンス・ピークの安定性・etcをコントロール出来る商品も当社から販売致します。
最後に「多孔インジェクターは霧化が良い」だけで判断しても、その成果が出るとは限らないという事をご理解下さい。霧化した粒子の状態・噴射パターン・クオリティーバランス・インジェクター本体の特性なども考慮した上での選択がベスト!
当社では、インジェクターの霧化や本体の特性を考慮した上でお客様により良いインジェクターをご提案しています。