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ジーイング代表、前田 仁(Jin Maeda)です。 これまで、メーカーのエンジンに対する考え方、パワーと耐久性とバランス、ボディ補強、サスペンションのセッティング、 コンピューターのセッティング等、車に関するあらゆることを学んできました。このブログでは、 日々の仕事の様子を中心に発信しながら、車に楽しく乗りたいと思っている方々に、それらをフィードバックしていきます。
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I have added an automatic translation in the hope that it will convey at least some of the nuances.2025.08.12
クランク角センサーが重要な理由は、ECUが燃料噴射量、点火タイミング、エンジン回転数を決定する際に、クランク角センサーから出力される信号(情報)を基に演算を行うためです。言い換えれば、クランク角センサーからの信号によってエンジン特性が左右されるということです。
しかしながら、RB26の場合、クランク角センサーはタイミングベルトを通して、EX側のカムシャフトに取り付けられています。そのため、タイミングベルトの経年劣化による伸び、エンジン冷間時のたるみ、エンジン熱膨張によるベルトの張り、エンジン回転上昇時のタイミングベルトのブレ、クランク角センサーとカムシャフト嵌合部のガタなど、様々な条件によってベルトとクランク角センサーの状態が変化します。
その結果、タイミングベルトに依存しているクランク角センサーは、上記のような条件によって、設定値よりも常に信号がブレてしまいます。このブレる信号は、エンジン回転数、各気筒の点火タイミング、各気筒の燃料噴射量に影響を与えます。
エンジン回転数がブレるとは、例えば、理想的には5000rpmから上昇する場合、5000→5005→5010→5015→5020rpmと上昇しますが、クランク角センサーの信号がブレていると、5000→5005→4980→5008→5020→5045→5012→5060→・・・と上昇していくことになります。当然、点火タイミングも進んだり遅れたり、燃料噴射も増えたり減ったりと精度にバラツキが生じます。これは、タイミングベルトに依存しているクランク角センサーの宿命と言えるでしょう。
この問題は、高回転になるほど顕著になります。適切なタイミングでシリンダー内で火花が着火しなかったり、最適な燃料量が供給されなかったりするため、6000rpm以上の回転数になると、エンジンが重く回っているように感じられることがあります。
そこで弊社では、10年以上前からクランク角センサー信号に着目し、クランク角センサー内に信号を読み取るためのスリットが入ったプレートと、クランク角センサーシャフト部のOリングを強化することで、カムとクランク角センサー嵌合部のガタを最小限に抑える2つの変更を行いました。その結果、標準の状態よりも信号精度が40%向上しました。
さらに、タイミングベルトを通常の強化ベルトよりも更に強化されたベルトに変更することで、精度が5%ほど向上しました。しかし、これらの変更を行っても、根本的な対策には至っていません。
次に、クランクシャフト本体にピックアッププレートとセンサーを取り付け、安定したエンジン回転数を取得しました。また、カムシャフト側からは基準となる1番の圧縮上死点のみを認識させるセンサープレートを、純正クランク角センサーに取り付けました。その結果、精度は飛躍的に向上し、80%以上となりました。
純正クランク角センサーに依存しても限界を感じたため、クランク角センサーを外し、独自の方法に変更しました。この方法ではほぼ100%に近い精度にはなりましたが、タイミングベルトに依存している部分があるため、完全には満足のいくものではありませんでした。
そこで、クランクシャフト側でほぼ完結できる方法を模索しました。つまり、タイミングベルトに依存しない方法です。その結果、タイミングベルトに依存しない制御が実現しました。弊社ではMoTeCを使用しているため、他のECUで可能かどうかは不明ですが、前提としてお伝えします。
クランクシャフト側とEXカムから信号を取得しますが、クランクシャフト側の信号をメインとして使用するため、タイミングベルトの影響をほとんど受けずに制御できるようになりました。タイミングベルトが伸びても、ブレても、ECUに出力する信号に影響はありません。その結果、エンジンは高回転までスムーズに回転し、エンジン音も中回転数域と変わらない音のまま高回転まで回ります。性能やレスポンスも向上しました。メインとなる信号は、様々な改良を加えた結果、完璧であると自負しております。
ECUの書き換えを行うに際しましては、基本となる信号精度が重要となります。ECUは外部からの情報を基に各部を制御するため、信号精度が低い場合、ECU本来の性能を発揮することは困難だと考えております。
最後までお読みいただき、感謝しております。
クランク角センサーが重要な理由は、ECUが燃料噴射量、点火タイミング、エンジン回転数を決定する際に、クランク角センサーから出力される信号(情報)を基に演算を行うためです。言い換えれば、クランク角センサーからの信号によってエンジン特性が左右されるということです。
しかしながら、RB26の場合、クランク角センサーはタイミングベルトを通して、EX側のカムシャフトに取り付けられています。そのため、タイミングベルトの経年劣化による伸び、エンジン冷間時のたるみ、エンジン熱膨張によるベルトの張り、エンジン回転上昇時のタイミングベルトのブレ、クランク角センサーとカムシャフト嵌合部のガタなど、様々な条件によってベルトとクランク角センサーの状態が変化します。
その結果、タイミングベルトに依存しているクランク角センサーは、上記のような条件によって、設定値よりも常に信号がブレてしまいます。このブレる信号は、エンジン回転数、各気筒の点火タイミング、各気筒の燃料噴射量に影響を与えます。
エンジン回転数がブレるとは、例えば、理想的には5000rpmから上昇する場合、5000→5005→5010→5015→5020rpmと上昇しますが、クランク角センサーの信号がブレていると、5000→5005→4980→5008→5020→5045→5012→5060→・・・と上昇していくことになります。当然、点火タイミングも進んだり遅れたり、燃料噴射も増えたり減ったりと精度にバラツキが生じます。これは、タイミングベルトに依存しているクランク角センサーの宿命と言えるでしょう。
この問題は、高回転になるほど顕著になります。適切なタイミングでシリンダー内で火花が着火しなかったり、最適な燃料量が供給されなかったりするため、6000rpm以上の回転数になると、エンジンが重く回っているように感じられることがあります。
そこで弊社では、10年以上前からクランク角センサー信号に着目し、クランク角センサー内に信号を読み取るためのスリットが入ったプレートと、クランク角センサーシャフト部のOリングを強化することで、カムとクランク角センサー嵌合部のガタを最小限に抑える2つの変更を行いました。その結果、標準の状態よりも信号精度が40%向上しました。
さらに、タイミングベルトを通常の強化ベルトよりも更に強化されたベルトに変更することで、精度が5%ほど向上しました。しかし、これらの変更を行っても、根本的な対策には至っていません。
次に、クランクシャフト本体にピックアッププレートとセンサーを取り付け、安定したエンジン回転数を取得しました。また、カムシャフト側からは基準となる1番の圧縮上死点のみを認識させるセンサープレートを、純正クランク角センサーに取り付けました。その結果、精度は飛躍的に向上し、80%以上となりました。
純正クランク角センサーに依存しても限界を感じたため、クランク角センサーを外し、独自の方法に変更しました。この方法ではほぼ100%に近い精度にはなりましたが、タイミングベルトに依存している部分があるため、完全には満足のいくものではありませんでした。
そこで、クランクシャフト側でほぼ完結できる方法を模索しました。つまり、タイミングベルトに依存しない方法です。その結果、タイミングベルトに依存しない制御が実現しました。弊社ではMoTeCを使用しているため、他のECUで可能かどうかは不明ですが、前提としてお伝えします。
クランクシャフト側とEXカムから信号を取得しますが、クランクシャフト側の信号をメインとして使用するため、タイミングベルトの影響をほとんど受けずに制御できるようになりました。タイミングベルトが伸びても、ブレても、ECUに出力する信号に影響はありません。その結果、エンジンは高回転までスムーズに回転し、エンジン音も中回転数域と変わらない音のまま高回転まで回ります。性能やレスポンスも向上しました。メインとなる信号は、様々な改良を加えた結果、完璧であると自負しております。
ECUの書き換えを行うに際しましては、基本となる信号精度が重要となります。ECUは外部からの情報を基に各部を制御するため、信号精度が低い場合、ECU本来の性能を発揮することは困難だと考えております。
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