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ジーイング代表、前田 仁(Jin Maeda)です。 これまで、メーカーのエンジンに対する考え方、パワーと耐久性とバランス、ボディ補強、サスペンションのセッティング、 コンピューターのセッティング等、車に関するあらゆることを学んできました。このブログでは、 日々の仕事の様子を中心に発信しながら、車に楽しく乗りたいと思っている方々に、それらをフィードバックしていきます。
Automatic translation / From Japanese to English >
I have added an automatic translation in the hope that it will convey at least some of the nuances.2025.11.06
■シリンダーヘッド側の準備
組み上げるヘッドは当然バルブガイドは交換し(時にはバルブも同時交換)、バルブとバルブガイド間のクリアランスは最小にセット(ステックしない程度)
新品エンジンでも距離を走るとバルブとバルブガイド間のクリアランスは多くなり、バルブが踊るほどガタガタになります
まず最初に行うのが「バルブの擦り合わせ」
これは、バルブとシート(受け側)を丁寧に摺り合わせ、密着状態を確かめる作業です。
燃焼ガスがここから漏れてしまえば、どんなに良い部品でも性能は発揮できません。
更に私は、ポート側から空気圧を掛けて漏れが無いか気密性を確認します。
■ブロック側の準備 ― ピストンリングの設定
一方、ブロック側ではピストンリング(トップ・セカンド・オイル)の合口を、
メーカーが定めた標準値にぴったりと設定。
これもまた、燃焼圧力をきっちり受け止めるための“下ごしらえ”です。
ここまで整えてようやく、
ヘッドガスケットを挟み、シリンダーヘッドをブロックに組み合わせる段階に入ります。
■ふと湧いた疑問 ― 「ヘッドは歪まないのか?」
ガスケットのシリンダー周りのビード(盛り上がった密封部分)は、
水やオイルをシールするビードよりも高く、
燃焼ガスを逃さないよう強く押し付ける構造になっています。
ここでふと、“勘”がよぎりました。
「そんなに強く締め付けて、ヘッドは歪まないのか…?」
元々RB26はメタルのような強いヘッドガスケットでは無かったじゃないか~
考えてみれば、ヘッド内部には冷却水の通路があり、
インテーク・エキゾーストの大きなポートが貫通しています。
バルブスプリングやカムシャフトの周辺も肉が薄く、剛性が高いとは言えません。
アルミだから硬い――そう思い込んでいた自分に気づきました。
■アルミ合金の真実 ― 「硬い」ではなく「しなやか」
シリンダーヘッドは“鋳造”という方法で作られます。
溶かしたアルミを型に流し込んで固める製法です。
見た目は硬そうでも、鍛造のように緻密ではなく、
実は“しなやか”で“歪みやすい”素材でもあります。
特に6気筒ともなると、その長さからどうしても剛性が落ちる――
つまり、ヘッドがわずかに反ることは「自然な現象」でもあるのです。
phase 5へ続く.....
エンジン組み立て、加工に関して簡素化した書き方になっている事をご理解願います。
■シリンダーヘッド側の準備
組み上げるヘッドは当然バルブガイドは交換し(時にはバルブも同時交換)、バルブとバルブガイド間のクリアランスは最小にセット(ステックしない程度)
新品エンジンでも距離を走るとバルブとバルブガイド間のクリアランスは多くなり、バルブが踊るほどガタガタになります
まず最初に行うのが「バルブの擦り合わせ」
これは、バルブとシート(受け側)を丁寧に摺り合わせ、密着状態を確かめる作業です。
燃焼ガスがここから漏れてしまえば、どんなに良い部品でも性能は発揮できません。
更に私は、ポート側から空気圧を掛けて漏れが無いか気密性を確認します。
■ブロック側の準備 ― ピストンリングの設定
一方、ブロック側ではピストンリング(トップ・セカンド・オイル)の合口を、
メーカーが定めた標準値にぴったりと設定。
これもまた、燃焼圧力をきっちり受け止めるための“下ごしらえ”です。
ここまで整えてようやく、
ヘッドガスケットを挟み、シリンダーヘッドをブロックに組み合わせる段階に入ります。
■ふと湧いた疑問 ― 「ヘッドは歪まないのか?」
ガスケットのシリンダー周りのビード(盛り上がった密封部分)は、
水やオイルをシールするビードよりも高く、
燃焼ガスを逃さないよう強く押し付ける構造になっています。
ここでふと、“勘”がよぎりました。
「そんなに強く締め付けて、ヘッドは歪まないのか…?」
元々RB26はメタルのような強いヘッドガスケットでは無かったじゃないか~
考えてみれば、ヘッド内部には冷却水の通路があり、
インテーク・エキゾーストの大きなポートが貫通しています。
バルブスプリングやカムシャフトの周辺も肉が薄く、剛性が高いとは言えません。
アルミだから硬い――そう思い込んでいた自分に気づきました。
■アルミ合金の真実 ― 「硬い」ではなく「しなやか」
シリンダーヘッドは“鋳造”という方法で作られます。
溶かしたアルミを型に流し込んで固める製法です。
見た目は硬そうでも、鍛造のように緻密ではなく、
実は“しなやか”で“歪みやすい”素材でもあります。
特に6気筒ともなると、その長さからどうしても剛性が落ちる――
つまり、ヘッドがわずかに反ることは「自然な現象」でもあるのです。
phase 5へ続く.....
エンジン組み立て、加工に関して簡素化した書き方になっている事をご理解願います。
RB26ヘッドガスケットをゼロから見直し、違和感の正体を突き止めるまでの探求をまとめたシリーズです。感圧紙による検証や歪みの解析、そして改良ガスケット完成までの全プロセスを追いかけます。