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ジーイング代表、前田 仁(Jin Maeda)です。 これまで、メーカーのエンジンに対する考え方、パワーと耐久性とバランス、ボディ補強、サスペンションのセッティング、 コンピューターのセッティング等、車に関するあらゆることを学んできました。このブログでは、 日々の仕事の様子を中心に発信しながら、車に楽しく乗りたいと思っている方々に、それらをフィードバックしていきます。
Automatic translation / From Japanese to English >
I have added an automatic translation in the hope that it will convey at least some of the nuances.2025.11.08
ヘッドガスケットとシリンダーヘッドの歪みの探求
― 「わずかな歪み」の真実 ―
ちょっと待てよ
現在使用しているヘッドガスケットが駄目なのか?
もしかして良いガスケットがあるのか?
そう考え国内外合わせて10メーカーのメタルヘッドガスケットを購入して、全てのメタルヘッドガスケットの計測が始まります
どれほどの時間を費やしたでしょうか。
ガスケット1枚ごとに感圧紙を重ね、面圧力の分布を確認する――。
その地道な作業を、2日間かけて繰り返しました。
1回につき14本のヘッドボルトを締め付け、測定後にすべてを外す。
この工程を10台分。
腕は悲鳴を上げましたが、それでも止まることはありません。
“答え”を見つけるために、ただひたすらに没頭しました。
⸻
各メーカーに共通する結果
結果は、どのメーカーのガスケットを使ってもほぼ同じ傾向でした。
シリンダーヘッドという部品は、燃焼室・インテークポート・エキゾーストポート、さらに水穴やオイル穴、バルブスプリング、カムシャフト周辺など、
複雑に穴が開き、肉厚の薄い部分が多く存在します。
つまり構造的に“剛性”が足りない。
そのため、ヘッドボルトの軸トルクに負けてわずかな歪みが発生するのでしょう。
これこそが、今回の異常の根にあるものだと感じました。
⸻
純正ガスケットとの違い
興味深いのは、純正ヘッドガスケットではこのような症状が見られないことです。
はっきりした答えではありませんが、純正ガスケットは「コンポジットタイプ」と呼ばれる構造で、
アスベスト・グラファイト・雲母などの複合素材から作られています。
これらの素材はクッション性を持ち、
わずかな歪みに応じて“つぶれ方”が変化するのかもしれません。
一方で、メタルヘッドガスケットはそうはいきません。
金属ゆえに逃げ場がなく、歪みをそのまま受け止めてしまうのです。
⸻
感圧紙が教えてくれたこと
感圧紙で確認したところ、
ヘッドガスケットのビード(盛り上がった部分)の当たり方は、
X軸・Y軸の両方向で**シリンダーボアを中心に「たわみ」や「湾曲」**が見られました。
つまり、圧力が均一ではなく、
歪みによって一部が浮き、また別の部分で押しつぶされているのです。
見えないわずかな“たわみ”が、やがて密着不良という形で姿を現す。
感圧紙はまるで、金属が発する微かなSOSを可視化してくれるようでした。
⸻
さらなる検証へ ― Phase 7 へ続く
歪み量を正確に数値化するため、
新たな計測器を導入し、いよいよデータ化のフェーズに入りました。
これから先、シリンダーヘッドに潜む“真の原因”を突き止めていきます。
⸻
読んでくださっている方の中には、
「ヘッドガスケットが悪いのでは?」「それともシリンダーヘッド側か?」と
想像を巡らせている方もいるかもしれません。
ですが――その答えは、話がすべて完結するまで少しだけ我慢してください。
きっと納得のいく「真実」に辿り着くと思います。
Phase7へ続く
ヘッドガスケットとシリンダーヘッドの歪みの探求
― 「わずかな歪み」の真実 ―
ちょっと待てよ
現在使用しているヘッドガスケットが駄目なのか?
もしかして良いガスケットがあるのか?
そう考え国内外合わせて10メーカーのメタルヘッドガスケットを購入して、全てのメタルヘッドガスケットの計測が始まります
どれほどの時間を費やしたでしょうか。
ガスケット1枚ごとに感圧紙を重ね、面圧力の分布を確認する――。
その地道な作業を、2日間かけて繰り返しました。
1回につき14本のヘッドボルトを締め付け、測定後にすべてを外す。
この工程を10台分。
腕は悲鳴を上げましたが、それでも止まることはありません。
“答え”を見つけるために、ただひたすらに没頭しました。
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各メーカーに共通する結果
結果は、どのメーカーのガスケットを使ってもほぼ同じ傾向でした。
シリンダーヘッドという部品は、燃焼室・インテークポート・エキゾーストポート、さらに水穴やオイル穴、バルブスプリング、カムシャフト周辺など、
複雑に穴が開き、肉厚の薄い部分が多く存在します。
つまり構造的に“剛性”が足りない。
そのため、ヘッドボルトの軸トルクに負けてわずかな歪みが発生するのでしょう。
これこそが、今回の異常の根にあるものだと感じました。
⸻
純正ガスケットとの違い
興味深いのは、純正ヘッドガスケットではこのような症状が見られないことです。
はっきりした答えではありませんが、純正ガスケットは「コンポジットタイプ」と呼ばれる構造で、
アスベスト・グラファイト・雲母などの複合素材から作られています。
これらの素材はクッション性を持ち、
わずかな歪みに応じて“つぶれ方”が変化するのかもしれません。
一方で、メタルヘッドガスケットはそうはいきません。
金属ゆえに逃げ場がなく、歪みをそのまま受け止めてしまうのです。
⸻
感圧紙が教えてくれたこと
感圧紙で確認したところ、
ヘッドガスケットのビード(盛り上がった部分)の当たり方は、
X軸・Y軸の両方向で**シリンダーボアを中心に「たわみ」や「湾曲」**が見られました。
つまり、圧力が均一ではなく、
歪みによって一部が浮き、また別の部分で押しつぶされているのです。
見えないわずかな“たわみ”が、やがて密着不良という形で姿を現す。
感圧紙はまるで、金属が発する微かなSOSを可視化してくれるようでした。
⸻
さらなる検証へ ― Phase 7 へ続く
歪み量を正確に数値化するため、
新たな計測器を導入し、いよいよデータ化のフェーズに入りました。
これから先、シリンダーヘッドに潜む“真の原因”を突き止めていきます。
⸻
読んでくださっている方の中には、
「ヘッドガスケットが悪いのでは?」「それともシリンダーヘッド側か?」と
想像を巡らせている方もいるかもしれません。
ですが――その答えは、話がすべて完結するまで少しだけ我慢してください。
きっと納得のいく「真実」に辿り着くと思います。
Phase7へ続く
RB26ヘッドガスケットをゼロから見直し、違和感の正体を突き止めるまでの探求をまとめたシリーズです。感圧紙による検証や歪みの解析、そして改良ガスケット完成までの全プロセスを追いかけます。